SS<高い文明>

ある日、宇宙人が地球に来星した。

「地球の皆さんこんにちわ、私、ミラー星からきた者でございます。
今回、どの星のどの地域の言葉でも翻訳出来る機械を使って話しかけております。
大切な話がありますのでこの星の代表者の方がいればどうかお話させてください。」

どういう仕組みかは分からないがこの声は地球上のどこにでも聴こえた。
そしてすぐに各国の首相が集められ、宇宙人との面談が行われた。

「星の代表者の皆様こんにちは
今回集まって頂いたのは他でもない、我らの母星“ミラー星”が他の宇宙人達に攻めいられ、崩壊の危機に面しております。
どうか、力になってくれませんでしょうか。」

各国の首相が口を開いた。
翻訳機が置かれている為、通訳はいらない。

「信じられん話だ。」
「ミラー星なんて聞いたこともないですな。」
「そもそもその星にはどうやって行くんですか?」

最後の質問に宇宙人が答える。

「交通面なら心配ありません。テレポート装置を持ってきているので、一瞬で何人でもミラー星に行くことができます。
とにかく多くの人手が必要なんです。」

「しかしですね。地球には貴方の星のようなテレポーターだの、翻訳装置だのありませんし。
ましてや宇宙にだって火星に行くのがやっとなんです。
そんな我々地球人の技術力で貴方の星の加勢に入っても役にたてると思いませんなあ。」

「いいえ、あなた方地球人だからこそなんです。
貴方達の“特有の物”がきっと我々の役に立つ。」


こんな高い文明を持っている星の者が言っているんだ、本当に地球人にはなにか、敵の弱点をつくものを持っているんだろう。
それに他の星との交友関係を深めるチャンスだ。
もし成功すればきっと地球の技術進歩の役にもたつハズだ。

そう考えた首相たちは自国から兵隊を集め、その数は何千万人にも及んだ。
そしていざ、旅立ちの日がやってくる。

「本当に武器などはいらないんですか?」

「ええ、地球人に備わっている“特有の物”が重要なんです。」

「なるほど...」

元から持っている物とはなんだろう?
兵士たちはどんな戦い方をするのだろうと恐怖心もあったが内心ワクワクしていた。

そして何千万の兵士たちが一斉にミラー星に送られる。


着いてすぐ、さっきまで地球人達と一緒にいたミラー星人はミラー星の代表格と思われるの者に何かを報告していた。


「星王さま、連れて参りました。
新しい奴隷たちです。」

「おお、こんなにも」

「地球人は礼だの助け合いだのに弱いから簡単でしたよ。
頭もそう良くはありませんしね。
それに地球人達特有の“恐怖心”とやらを上手くコントロールすれば、前の奴隷みたいに我々に歯向かうことはありませんよ。」